公売に参加してみたいと思いますが、具体的にどうすればいいのでしょうか。

 

差押財産を入札などの方法で売却を行うことが公売で、その資格制限はなく、誰でも参加が可能なのが原則です。その日時・公売財産の明細などは、公売を行う税務所や国税局の掲示板の公売公告、または国税庁のホームページの「公売情報」で案内されていますので、公売に参加しようとする場合は、前もって公売財産の不動産登記簿、現況などの関係公簿を確認した上で参加してください。公売公告をした後の公売は中止される場合もあります。

公売の手続きの流れは大概以下のとおりです。

(1) 方法
a.入札:入札を入れた参加者のなかで、最高価格の申込者に売る方法のことです。入札には決まった期間内に、郵送や直接に提出された入札書を別の日に改札するという期間入札と、当該公売日に公売会場で出された入札書をその当日改札する期日入札があります。
b.競売り:買受希望者が口頭などで順次に高価買受申し込みをし、最高申込者に売る方法で、インターネットオークションサイトで、競売り方式によるインターネット公売も行われています。このインターネット公売に参加するためには、前もって公売参加の申し込みをしなければなりません。

(2)手続き
a.入札:入札をする際に、公売保証金が必要な公売資産に関しては、この公売補償金を支払ってからでないと入札はできません。この公売保証金に有無や金額は、事前に出されていた公売公告に記されています。この保証金は現金の他に小切手での納付も可能ですが、信用金庫や銀行などから発行した物や支払の保証があるものに限られています。
代理人による入札の場合は、本人の委任状が必要となります。
公売資産が農地である場合は、その資産の所在地の農業委員会から発行される買受適格証明書も必要となります。
入札書は国税庁のホームページからダウンロードするか、公売会場に準備されている所定のものを使ってください。もし誤りが見つかったら、修正はしないで新しい用紙に書きなおしてください。この入札書には、住民登録上の住所と戸籍上の名前を記入します。法人の場合は、商業登録上の商号と所在地を書きます。
同じ人物が同一の売却区分番号の公売財産に2枚以上の入札書を出したら、その入札書はどちらも無効になります。提出が行われた入札書は、入札時間内でも変更や取り消し、引き換えはできません。改札は、入札時間が終了した後、入札者の面前で行われることになり、この改札の結果、各公売財産の売却区分番号で入札価額が見積価額を超え、同時に最高価額の入札者が最高価申込者と決まります。
最高価申込者にならなかった人が支払った公売保証金は、公売が終わった後に返還されます。この保証金を返還して貰う時には、印鑑が必要となりますので、公売日の当日は必ず持参してください。不動産業者の個人や営利法人の場合は、領収証書に200円の収入印紙も必要です。
b.買受代金の納付:最高価申込者になった人は、その後、売却決定をもらうことで正式に買受人になります。売却の決定は、公売公告に記された日時に行われることになりますが、絵画や宝石などの動産に関しては公売日の当日になり、ゴルフの会員権や建物や土地の不動産、に関しては公売日の1週間後となります。
最高化申込者は、売却決定を貰ったら買受代金をその納付期間までに小切手や現金で納めてください。ここで使用できる小切手は公売保証金同様、信用金庫や銀行などから発行した物や支払の保証があるものに限られています。同時に、買受代金を支払う前に、公売に関わる国税を納めたという事実が表明された場合に、売却決定を取り消すことになります。
買受人は代金を全部納めた時に、対象となる公売資産を取得するようになります。ただし、所有権移転について農業委員会や都道府県知事の許可の要る農地などのように、法令の定めなどについて登録や許可が必要なものに関しては、関係機関の登録や許可がないと権利移転の効果が発生しません。
代金を納めた後に発生した公売資産の盗難、毀損、焼失などからの損害は買受人が負担することとなります。
c.権利移転手続き:動産で、税務署や国税局で保管されている場合は、買受代金を納めたことと引き換えに引き渡されることになります。第3者や滞納者に保管させている場合は、その保管者から引き渡されます。
不動産の場合は、公売を行った税務署や国税局で行うことになりますが、登記嘱託書を送るための料金や移転登記の登録免許税の費用は買受人が負うことになります。

公売手続きの詳細は、際寄りの国税局の徴収部特別整理部門や税務署の徴収担当部にお問い合わせをするか、国税庁のホームページの公売情報をご覧ください。

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