減価償却の全般について教えてください。
事業などの業務用として使われていた建物や建物の附属設備、車両運搬具、器具備品などの資産は、通常、時間の経過などでその価値が減ることになります。このような減価償却資産の取得に必要であった金額は、取得をした時に全額が必要経費とされるわけではなく、対象の資産の使用可能な期間の全部にわたって分割して必要経費としていかなければなりません。この使用可能な期間に該当するものとして、法定耐用年数が財務省令の別表で決まっています。
減価償却は、このような減価償却資産取得に必要であった金額を一定の方法で各年度分必要経費として分けていく手続きのことです。
*取得価額が10万円を超えないものや使用可能な期間が1年を超えないものは、その金額全部が業務用の必要経費となります。
*取得価額が10万円~20万円内である減価償却資産は、特定の要件を満たした上で、その減価償却資産の特定の一部や全部を一括して、そのまとめた減価償却資産の取得価額の合計の1/3総合額をその業務用として使った年の後3年間の各年度分の必要経費とすることが可能です。
*特定の要件を満足する青色申告者が、2006年4月1日~2014年3月31日までに得た取得価額が10万円~30万円内の減価償却資産に関しては、特定要件を満たした上で対象の取得価額の合計の中300万円に到達するまでの取得価額の合計を業務用として使った年度分の必要経費に算入が可能とする特例があります。
*取得価額の判定が行われる際に、消費税額が含まれるかどうかは、納税者の経理方式によって異なります。税抜き経理であれば消費税が含まれない金額で、税込み経理であれば消費税が含まれた金額で判断されます。免税事業者の経理の仕方は税込み経理となります。
減価償却の具体的な計算方法はその取得時期によって異なります。
2007年3月31日の前に取得した減価償却資産は旧定率法や旧定額法で、2007年4月1日の後に取得した場合は定率法や定額法で行うことになります。
1998年4月1日の後に取得した建物に関しては、旧定額法や定額法だけが適用できます。ここでの取得には事故の建設や購入の他にも贈与や相続、遺贈などによるものも含まれるので、1998年4月1日の後に相続が行われて取得した建物の場合は、定額法か旧定額法となります。
各期間に応じて選択できる償却方法はその各種類で決めることになります。この場合は、その方法の選定の届出が必須です。新しい業務を始めたい場合などは、その減価償却方法を決めて、次の年の3月15日までに管轄税務署長宛てに送る必要があります。この届出がないと、法定の償却方法で計算されることとなります。法定での計算方法は通常、定額法か旧定額法になります。
旧減価償却資産に関して旧定率法、旧定額法、旧生産高比例法で決めた場合は、2007年4月1日の後の取得が行われる減価償却資産で、同日の前に取得したら旧減価償却資産と同じ扱いになるもので上記の届出書を出していない場合は、旧減価償却資産に対して決めていた償却の方法の区分による償却方法で決めたとみなされ、2007年4月1日以降の減価償却資産に対して定率法、定額法、生産高比例法の適用が可能となります。
このような償却方法を変えたい場合は、その変えたい年の3月15日までに管轄税務署長宛てに申請書を出し、承認を得てください。